3rd album 『33』 セルフライナーノーツ
01. NEW DAYS
アルバムの曲作りを始めた頃、歌詞はまだだったが、早い段階で「ROCK’N’ROLL SURVIVOR」が出来た。
曲作りを進めていくうちに、アルバムのオープニングを飾るプロローグ的な曲を作って、2曲目に繋がっていく流れにしたくなった。
で、出来上がったのがこの『New Days』。シンプルなリフにシンプルなワードを連呼するスタイル。“コロナ禍”に限らず、“新しい時代の到来”を待ちわびる歌詞にしたかった。
02. ROCK’N’ROLL SURVIVOR
3rdアルバムの曲作りを始めた2021年の春頃、まず一番最初に「自分の原点回帰的なロックンロールソング」を作りたくなった。
自分のど真ん中のストレートなヤツ。それを“推し曲”としてアルバムをスタートさせたかった。
今と同じくコロナ禍の真っ只中でウンザリしながらも翻弄されてたから、”コロナ禍終焉とその後”についての自分なりの曲も作りたくなっていた。
“アフターコロナ”なのか“ウィズコロナ”なのかはさておき、「新しい生活」とか「新しい時代」が始まっている予感がしたので、
「生き抜いてやるぜ」「生き延びてやるぜ」っていうのが強くなり、「新たな時代をロックンロールでサバイヴしていこうぜ!」という
どこか夢見がちな歌詞の内容だけど、理想や願望を込めて詩を綴ってみた。
03. 33(Double Three)
レコーディング中の会話にヒントを得て、アルバムタイトルを『33(ダブルスリー)』と命名。
「数秘術33」との出会いで今更ながら覚醒したので、それを題材に作詞してみた。
曲調といいテンポ感といい、いつもアルバム収録曲として欲しくなるタイプの曲。かなり初期の段階で既に出来上がった。
細かいところでアレンジやアンサンブルをシンプルにしながらも、曲のパートごとにやりたいことを盛り込んだのが功を奏して、予想以上に新鮮な仕上がりとなった。
曲の真ん中のギターソロは自分で弾いてみた。
04. RALLY ROULETTE ROLL
荒くれてやさぐれたギスギスしたカンジのシンプルなロックンロールソングが創りたかったので、仮タイトルはそのまんま「アラクレヤサグレ」。
まず思い付いたギターリフにユニゾンの言葉を乗せてサビを作りそれが引き立つような構成にした。
当初はあんまり意味は無いけど語呂が面白い歌詞にしたくて、デモ音源では仮で「らりるれろー🎶」って歌ってた。
英単語を当てはめてみたら、案外意味の通じる言葉が集まって、接戦を繰り広げるようなギャンブルとか勝負がテーマになってきた。
ラリーは車の競技とか卓球の試合とかでも使うし、ルーレットはロールする(回る)し。曲調とも相性が良いみたいで予想以上の仕上がりで嬉しい。
05. 雨音のララバイ
かなり昔からあって中々仕上げられずにいたジャズっぽい曲の破片を、やっと今回カタチに出来た。
久々に全編ベース先導で創り上げた。そんなベースにマッチするイントロのブルージーなギターリフはデモ音源製作中に思いついた。
なるべく編成を少なくしたくて、ダビングは一切ナシ。ベース、ギター、ピアノ、ドラムというカルテットのサウンドになったのは、今までなかった試み。
そもそもブルージーなジャズ風味の曲自体、58才にして初めてのチャレンジだった。
この曲に相応しいベースソロにしたくて、音使いとかリズムの取り方とか組み立ててラインを創った。
06. オンリーワンラヴソング
HEESEY流オールディーズソング。大好きなジャンルである“OLDIES”は、’50~60年代の古き良きヒット曲という定義があるけど、
自分的には更にオールディーズに影響を受けた’70年代以降の楽曲も含めた解釈で曲を作った。
影響された英米のロックは勿論、同時代のニッポンのロックや歌謡曲テイストもスパイスに盛り込んでいったら、
オマージュ満載の仕上がりになった。歌詞や曲調の雰囲気を重視して、タイトルは敢えてカタカナ表記にした。
07. HIPPIE ROSE
最初にできたお気に入りのギターリフを発展させてメロディを乗せて、まずはイントロとサビが完成。
元々あったBメロのアイデアを後から合体させ、新たにムード歌謡的なスパイス満載のAメロを創って繋げたら超イイカンジに仕上がった。
完成してみるとDメロというかブリッジがまた良い味わい。あとギターソロもサイコー!
タイトルは最初「HIROSE」をもじっていて思いついた。自分の苗字「HIROSE」の中にある「薔薇=ROSE」。
薔薇っていうとどこかひねりのないベタで王道でキザなイメージがあるけど、この曲では
「HIROSE(廣瀬)の名の下に受け継がれた自分の中の純粋な美意識、美学、ポリシー、自由な発想」を歌いたかった。
自由の象徴として「HIPPIE」という言葉を使いたかったので、「HIPPIE ROSE」と名付けた。
08. THUNDER GATE SHUFFLE
大好きな3連符の跳ねる曲が創りたくて、まずはリフが出来た。ワイルドで不穏で不気味で妖しげでワルいカンジに仕上げたかった。
自分的に“どストライク“な洋楽ロック感(特にブリティッシュ感)が溢れるいかがわしい曲調。
バッチリと曲にハマるハードロックテイスト満載のギターソロを思いついたので、菅大助氏に弾いてもらった。
セルフカヴァーアルバム『TYO YEARS』のフォトセッションで、”お江戸・東京の粋な和風なテイスト”にチャレンジしたのがとても楽しかったので、
今度はそのテイストを歌詞で描いてみたくなり、この曲にぴったりだと思い徹底的に盛り込んだ。「Thunder Gate」は勿論、浅草の「雷門」。
妖しい日本語の響きが面白くてついつい連発してしまった。オレ流の和洋折衷が満載な曲になった。
09. SAMBA No.9
1st収録の『洋々(レゲエ)』や、2nd収録の『POLKKA No.5(ポルカ)』の完成は自分的にとても嬉しくて、
これからも色々なワールドミュージックと英米のロックを自分のスタイルでミックスした曲を創り続けたいな…
ってことでシリーズ第3弾は、「サンバ」。
既に10年ぐらい前に創った曲の破片をアレンジし直して、女性コーラスやパーカッション類の打ち込みを加えて
ジャンジャン華々しく賑々しくしたり歌詞にポルトガル語を交えたりと、サンバの要素を強めていった。
今回の収録曲の中で唯一最後まで試行錯誤&紆余曲折があって仕上がった苦労作だ。
10. スーパーハイパーウルトラエクストラ
今回の曲の中では1番最初に形になった曲。1コーラス分は既に2ndアルバム『ODYSSEY』を創り終えた直後には出来上がっていた。
自分的にはストレートで王道なHEESEYテイスト炸裂のロックンロールだと思うし、アルバムの曲順として後半に配置されるのも自分っぽいと思う。
どこかほんのりと漂う50年代ロカビリーのスパイスが効いてるので、歌詞にもアメリカン・グラフィティ的な風味を加えた。
イントロと曲の真ん中とアウトロのギターソロやオブリガードは、全部自分で弾いてみた。
11. INFINITY OF MY GROOVE
自分の「58歳イヤー」の抱負として思いついた「INFINITY OF GROOVE」という言葉をヒントに作詞していった。
当初は「58」の「8」を横にして「∞=無限大」…と連想してたら、自分がベーシストなだけに、「groove」というワードが思いついた。
作詞するにあたって「my groove」を「自分のリズム感や音楽的なノリ」だけでなく、「自分の性格や生き様」まで広げて表現してみた。
実はイントロとAメロの部分は20年ぐらい前からあるアイデアで、サビの部分も15年前ぐらいに創ってた、別々の曲の破片。
去年ぐらいに接合部のBメロを創り、その他の構成を組み上げて完成させた。
今回こうしてぴったりな歌詞を乗せて、アルバムの大切な位置に採用できてとても嬉しかった。
アコースティックツアーでも活躍したギターが左右で2本鳴っていて、左はオレ、右は菅氏。
いつもと違うベースサウンドも曲にぴったりのキーボード類もサイケデリックなエフェクトも何もかもキモチイイ。
12.NEXT NEW DAYS(New Days Reprise)
アルバム曲の後半半分の制作に着手した頃、オープニングの『NEW DAYS』のリプライズヴァージョンを創って
それをエンディング曲にしたくなった。リピートして聴いたらループしてるみたいで面白そうだなと思い、
バッキングトラックを編集し歌詞も全く変えて、『NEXT NEW DAYS』と名付けた。
「”新しい時代”から”その次の新しい時代”へ」というわけ。イントロには自分の名前のアルファベットを連呼し、
『NEW DAYS』と同じメロディに乗せて収録曲のタイトルをラップっぽく歌ってみたら、イイカンジのリプライズが完成した。
録音してる時に思い付いたアドリヴをたくさん採用できたのも嬉しかった。この曲と『INFINITY OF MY GROOVE』の
ヴォーカルをレコーディングの最後の日に録ったので、曲順通りの流れになりギリギリまで奮闘したこともあって、とても印象深い結末となった。
HEESEY
【3rd ALBUM】
タイトル:33(※ヨミ:ダブルスリー)
発売日:2022年3月3日(木)
品番:PML-2006
価格:¥3,300(税込)
[収録曲]
01.NEW DAYS
02.ROCK’N’ROLL SURVIVOR
03.33(Double Three)
04.RALLY ROULETTE ROLL
05.雨音のララバイ
06.オンリーワンラヴソング
07.HIPPIE ROSE
08.THUNDER GATE SHUFFLE
09.SAMBA No.9
10.スーパーハイパーウルトラエクストラ
11.INFINITY OF MY GROOVE
12.NEXT NEW DAYS(New Days Reprise)
[主要配信サイトはこちらから]
https://nex-tone.link/A00095799