『PAINT IT RED』セルフライナーノーツ by HEESEY
PAINT IT RED
「還暦バースデーライヴでまっさらな新曲を御披露目しちゃおう!」と思い立って創り始めた60歳記念曲。
元々ライヴのタイトル「PAINT IT RED」は、ザ・ローリング・ストーンズの「PAINT IT BLACK(邦題:黒く塗れ)」からの発想。
還暦だから「赤く塗れ」っていう流れだし気に入ったワードなので、同じタイトルにしようと気張らずに軽いノリで、ユーモアを織り交ぜてニタニタしながら作っていったら、狙い通りウキウキな曲調になった。
要所要所に自分流でクラシックなスパイスを散りばめたのも気に入っているポイントだ。
自分のアニバーサリーを歌った曲だけど、期間限定ではなくずっと演っていきたい曲、
世の中の全ての“おめでたい場面”を祝福する曲に仕上げたかった。
でも途中のブリッジパートは以下のように自分にちなんだ数え歌っぽい歌詞にしてみた。
唯一無二極めて 3度目の成人式
獣低音4弦かき鳴らす
語呂(56)合わせ歌って 七変化着飾って
8は∞(無限) やるっきゃNINE
曲の構成はライヴ初披露の時とほぼ同じだけど、レコーディングの途中で思いついて追加したアレンジもあって、結果、ハッピーなロックンロールソングが完成した。
TANGO DE CERO
ワールドミュージックとロックテイストのオレ流融合シリーズ、第4弾。
実は2〜3年前からあったこの曲、アルバム『33』には「SAMBA No.9」を収録したこともあり、一度眠らせることにした。
55歳で「POLKKA No.5」、59歳で「SAMBA No.9」、んじゃタンゴは61歳以降にいつか
「TANGO No.〜」として創ろうかなー?なんて思っていたが、還暦を迎えた頃に黒猫を家族に迎え入れて「タンゴ」と命名したことと、「PAINT IT RED」以外にも新曲をリリースしようということになったので、この絶好なタイミングで創り上げて発表しようとなった。
「アルゼンチンタンゴ=母国語はスペイン語→60歳だからNo.0→0(ゼロ)はスペイン語でCERO→還暦には“ゼロに戻る“という意味合いもあるから、ゼロからのタンゴ=TANGO DE CERO(タンゴ デ セロ)」という流れで歌詞を書いた。
歌詞にもスペイン語を登場させたら、いろんな言語が入り混じって大変なことになったけど、それも逆に無国籍っぽくてイイかなと。
タンゴの衣装は個人的に“黒と赤“のイメージがあるし、“黒猫タンゴ“と“還暦の赤”ってことで、黒と赤の舞踏曲。
自画自賛だけど今回もロックとタンゴを融合させてサイコーなテイストに仕上がった。
HOMETOWN
ノスタルジックな曲調のこの曲は今回のリリースのために書き下ろした。
どこか“古き良きメイドインジャパン“な作風にしてみたかった。
デモ音源を創り始めた時の第一印象で仮タイトルを「HOMETOWN」にしたら、引き寄せられるようにどんと曲やアレンジが進行していった。
ソロデビュー20周年ってことで、HWDの「DOWNTOWN TOKYO」以来20年振りに「HOMETOWN(故郷)」を題材に歌詞を書くことにした。
オマージュの気持ちを込めて「ならず者アイムソーリー」の歌詞からのワードも拝借した。
「誰もが心情を置き換えられ共感できるように歌詞を書こう。」と努力しながらも、仕上がってみたら自分の故郷丸出しの描写になってしまった。
この歳になって今更…とも思ったが、ここ数年のプライベートな心境の変化も歌詞に込められたので、楽曲として仕上げてこのタイミングで発表できて嬉しい。